№176
いずれもジョージ・オーウェルの手による小説。学生時代にこの著者に関する論評の英文がテキストだったこともあり、何となく憶えていた。ここ最近の私の読書傾向
として、本文は取り敢えず置いといて巻末の解説を読み進むことが多い。本当は
テキストに載っていたことかもしれないが、英文読解力のない私には今回読んだ
彼の波乱に富んだ生涯が新鮮だった。「動物農場」は、英国本国でアニメ化されて
いるのも知っていたが、巻末の解説やwikiを読むと、当初社会主義に傾倒した作者
ではあったものの、本作はその過程で体験した旧ソビエトの共産主義の欺瞞や恐怖
政治に対する痛烈な皮肉が込められているとのこと。
でもアニメ映画は近年ジブリが買い付けてDVDで再配給しているという事実に
胡散臭さを感じ警戒心が湧く。昔、確かアニメージュの誌面で映画の紹介を読んだ
ときは、その画像のおどろおどろしさもあり、一度鑑賞してみたいと思いもしたが、
今はちょっとわからない。
「1984年」は、管理社会、全体主義の恐怖を描いた云々が良く言われるが、この
粗筋を読んでよく連想するのは、レイ・ブラッドベリの小説「華氏451度」と
映画「未来世紀ブラジル」だ。前者は未読なので何とも言えないが、後者は学生
時代にレンタルビデオで借りて観た。感想は...もう本当に意味不明でわけが
わからなかった。少なくとも繰り返し観たいと思えるような内容ではなかった。
ハッピーエンドではなかったので、おそらくオリジナル版なのだと思う。
本題に戻ると、オーウェルの二冊(角川文庫とハヤカワ文庫)は今も本編の頁を
めくられることなく私の書庫に収まっている。
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