№177
吉田拓郎は陽水と比べると、自分の中ではまだ明るい印象だった。比較対象
が対象だけに、微妙なところもあるが、実はそんなに明るくも前向きでもないのを
知ったのは、フォーライフに移る前の、初期の楽曲を耳にした時だった。
上にリンクしたタイトルの歌は「刑事物語」のエンディングでよく流れていたが、全篇
広島弁の歌詞(私も通算二十年近く広島県に住んでいたのでわかるが、実際には
こんな持って回った喋り方をする人はいない。一種の戯画化、カリカチュアライズ
だと思う)が当時は新鮮に思えた。同じ広島県出身でありながら、泥臭さを払拭
しようと必死にもがき、洗練された、斜に構えた「俺」を求めて滑りまくる浜田省吾の
歌には聴いている方が気恥ずかしくなるような稚拙さを多々感じたが、拓郎の歌は、
より自然体で気取りがないところ、時に泥臭さを全面に押し出して歌われるところに
好感を抱いたりもしたものだ。「夏休み」とか「せんこう花火」とか、抒情的な歌もいい。
【歌詞とコード】
カラオケ
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