№460
「よっと」「む・・・・」「良い訳ないだろ!」「こらっ!」
「ふーん。ジムもか?」
「待ってたって触らせてやらないぞ!」
「よっと・・・何が映ってるのかな・・・?・・・ほう・・・ん?なんだこれ、俺か」
「撮ってくれちゃって、まー」
「お?かわいい!お前の姉貴か?」
「こ、これは・・・ただのコンテナにしちゃ物々しいな・・・」
「あ、ちょっと待てこら、よせったら!」
「いって!いてー・・・」「このー!」「ん?」「欲しいか?」
「欲しいか?」「これとそれと交換てのはどうだ?」「約束するよ」
「アルフレッド!」「ほーら!」「貰ったよ」
「このことは秘密だぞ」「じゃあな!」
「黙ってろよ!」「うるさいぞ!!」「大きなお世話だ!」
「15時30分よし。バーナード・ワイズマン伍長入ります。失礼します」「失礼します」
「作戦って?」「待ってください。作戦っていったい・・・」「特務部隊・・・?」
「はあ・・・少し・・・」
「あのーえーっとあ、民間船に偽装するということで味方に撃たれるという可能性は?」
「やあ、お互いついてないね。えっ!?わああああああ!何だ?ああ!」
「来た。始まったな。わぁぁぁぁぁ行くぞー。頑張れよポンコツ」
「こちら貨物船アグアベルデ、貴港への入港を願う!こちら貨物船アグアベルデ、貴港への入港を願う!こちら貨物船アグアベルデ、応答してくれ!貴港への入港を願う!」「やったぁ・・・」
「いやーまいったなー。ひどいもんだよ外は。相棒がやられちまってさ。悪いんだけど運びだしてくれよ?」
「リーアの政府はもうちょっとしっかりしてくれないと困るんだよねー。領空内でモビルスーツにドンパチやられたんじゃあ、こっちは商売になんないよ」
「え、バルター=ペーターゼン。IDナンバーTG40983726」
「おいもっと丁寧に扱ってくれよ!人形じゃないんだ!」
「えっ書類はそれで全部だけど」
「でも・・・」「いやそうじゃないけど、なんていうか・・・なにも書類1枚くらいのことで・・・」
「馬鹿野郎!死にてえのか!このガキ!」「あっ」
「いっ!」
「アル?お前アルか!?大きくなったなー!」
「ええ、アル駄目じゃないか、おまわりさんに嘘なんかついて」
「ったくなんて奴だ!警官連れて来るなんてお前正気か!?」
「分かってどうするつもりだった!?」
「仲間!?戦争ごっこやってるんじゃないんだぞ!」
「車がそんなに珍しいか?」「ふん、お世辞言いやがって」
「宇宙空間でやられた日にゃ最悪だぜ。何しろ無重力だ。コックピットの中に血が滴になって浮かんでさ、もう地獄も真っ青」
「俺なんか数えきれないほど戦友が命を落としたのを見てるんだ。本当はお前みたいな子供、相手にしてられないんだぞ」
「えっ?・・・殺したかないけどなやられる前にやらなきゃこっちがやられる。ターゲットは落とすしかないんだ」
「当然。俺もあと1機落とせばエースってとこでやられちゃってよ」
「油断しちまったんだ。中立コロニーだって聞いてたのに突然ジムが出てくんだもんな、ありゃねーよ」
「うっ!」
「母親が違ってまして親父が若い頃僕が生まれたんですが、周りが反対して別れたらしいんです」
「気にしてませんから」
「い、いえもう除隊しました。今は予備役ですから」
「工場で機械関係の仕事をしてます。」
「どうもお邪魔しました」「約束があるものですから」
「平気ですよ、このぐらい。これどうも。アル行くぞ!」
「見かけじゃあ性格は分からないもんだな」
「いよっと。いて!」「なんちゃって・・・発進!」
「了解!」「ん?」「・・・」
「アル、もう帰ろうぜ!連邦の秘密基地なんて見つかりっこないって」
「まあな」
「サイド6と連邦との安全保障条約がまだ正式には締結されてないからさ」
「つまり今はまだ連邦の活動に色々制約があるってこと」
「何を考え直すんだ?」
「うっ」
「パイロットのことなんか気にしてないよ。エースになるチャンスはこれからもあるしな」
「さっアル帰ろう、メシでも喰おうぜ」
「どうした?アル?おい!」
「同じ人間がいるからってそこが連邦の基地とは限らないぜ」
「どうやって近づく?」
「地下?」
「ここが2の27って事は、ここから200メートルくらいか・・・意外と簡単に行けるかもな」
「慌てんなよ!」
「もうちょいってところだろ」
「妙だなスイッチが見当たらない。もうひとつ西の通路、当たってみるか」
「ちぇ」「わかったぞ!」「新品のシャッターがこのブロックにだけ取り付けてある。人が入ってほしくない理由が最近出来たんだ!」
「ピンポーン」
「ふてるなよー」
「場所を突き止めただけでも大したもんだよ。まあ偶然とはいえ、こいつは大成功だぜ。きっと隊長も喜ぶぞ。ん?アル何やってんだ!?」
「やめとこうアル。危険すぎる」
「死ぬかもしれないんだぞ!!」
「平気だったか?」
「目標はあの出っ張りだ。俺が辿り着いたらワイヤーを伝って飛んでこい、分かったか?」
「宇宙服を脱いで渡すんだ」
「ん?アルやめろ!」
「アルやめろ!捕まるぞ!」
「アル!貴様ー!」「何がモビルスーツだ!・・・ジムか?じゃあなんだ?」
「カメラモード使ったんだろ?ちゃんと写ってるかな」「お前楽天的だな」
「失敗したときの事考えないのか?」「ヒュ~」
「ふふふ、あっははははは!」
「車の中で寝てます」「はい・・・」
「アル着いたぞ。おいアルお前の家だ。アル起きろよ!」
「しょうがねーなぁ。ん?・・・似てらー・・・下手くそ・・・」
「助かりました。失礼します」
「マッケンジーさん」
「あのー・・・次からはワイズマンじゃなくてバーニィでいいです」
「おやすみなさい」
「クリス・・・」
「あれはさ、ガンダムの新型。連邦の秘密兵器だな」
「お前よく知ってんな」
「楽勝さ」「と言いたいとこだが、ま、5分5分だろうな」
「まあな。クリスがさ、俺のこと何かしゃべってなかった?」
「あっそう。・・・いやあの娘、連邦の軍人だろ?きっかけがあったら役に立つ情報が手に入れられるなーと思ってさ」
「それもいいかもな」
「陽動っていうより囮みたいなもんですか?」
「はぁ・・・」「えっ」
「明日!?やめとけ!絶対だめだ!」
「ダメだと言ったらダメなんだ!!いいか絶対に行くんじゃないぞ!」
「はぁ・・・ぁ・・・」
「俺も着任したばかりだ」
「そう、シドニー生まれのシドニー育ちなんだ」
「最高だね!今頃街は雪で真っ白だろうな」
「・・・!」
「ああ!」
「出血が酷くて、殆ど意識がありません」
「ああ!」
「見りゃ分かるだろ!」
「ぁ・・・」
(えっ・・・あっ・・・あいつは、ミーシャが破壊しました。僕達も早いとこ脱出しましょう!)
(隊長!・・・隊長!)
「隊長・・・」
「戦死です」
「戦死です」
「警戒が収まるのを待つつもりですが・・・」
「待った方が安全だと思いますが・・・」
「じゃあ何故?」
「そんな・・・バカな!」
「あなたは逃げないんですか?」
「ん?」「ふー」「後ろをよく見ながら歩いてきたか?」
「警察は俺を捜してたか?」
「そうか。座れよ。喰おうぜ」
「どうしたんだよ?」
「またそんな話か、もう考えるな!」
「死んだ奴にはツキが無かったってことだ!隊長だろうと何だろうとツキのない奴は死ぬんだ!」
「それが戦争ってもんだ!分かったか。ったくほら喰えよ」
「アル」「俺は今日中にこのコロニーから脱出する」「そうだ」
「気持ちはわかるが時には逃げるのも男としてだな・・・」
「俺の話を聞け・・・あと3日・・・クリスマスの晩までにガンダムを始末出来ない時はグラナダの艦隊が来る。核爆弾を使ってコロニーごとぶっ潰す作戦なんだ」
「このコロニーは確実に破壊される。もうどうにもならん。お前もここを離れるんだ。母さんと旅行に行くとか・・・」
「出来るわけないだろ!」
「出来ないの!あんな化け物どうやったら倒せるんだ!!」
「修理してどうするんだ!お前が動かすのか!?」
「俺はな、モビルスーツなんて1機も落としたことがないんだ!!」
「言わねーよ!!!」
「俺はただのヒヨッ子で皆のお荷物だ。ただ連れて来られただけなんだよ!」
「ああ怖いね。怖くない方がどうかしてる。臆病とでも何とでも言えよ!」
「うるせーぞいいか・・・」
「見ろ、盗聴マイクだ。お前が俺達のことをバラすんじゃないかと思って、こいつで盗み聞きしていたんだ。仲間のしるしなんて嘘っぱちさ」
「生きたかったから逃げるんだアル、な?このコロニーから脱出しろ」
「俺は逃げると決めたんだ」
「そんなことしたら死刑だぞ。お前だって同罪なんだから!」
「ううっ!」
(お前だって同罪なんだ。死刑だぞ死刑!)
「船、ある?」「どこでもいい」「フランチェスカでいい。1枚だ」
「ふー・・・うっ・・・クリス・・・」
「あの・・・ウィスキー水割り」
「ぁっ・・・」
(あはははははははは)
「ああ、俺だよ」
「ああ、そのつもりだ」
「ああ、あいつを倒すためにもう1度攻撃をかけることにした。手伝ってくれるか?」
「ああ・・・上手く行くさ!」
「バカ野郎・・・」
初稿:H27.8.6
ポケットの中の戦争
ポケットの中の戦争
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