2015年9月11日金曜日

「1日10往復」は多いか少ないか

№471

北海道新幹線、なぜ「1日10往復」だけなのか
衝撃の少なさに地元民も落胆



平成28年3月に新青森-新函館北斗で部分開業する北海道新幹線についての

記事である。記事は東京直通の本数についてだが、仙台、盛岡、新青森との

区間列車が各1本で、全体では13本程度とのこと。

確かに東海道を初めとする「整備」ではない新幹線からすれば格段に少ないだろう。

いや、現行の東北(盛岡以北)、北陸、九州の整備新幹線区間と比較しても明らかに

少ない。

仮に朝6時台から夜23時台までの運行と考えた場合、1時間に1本も走らない時間帯

が当然出てくるわけで、それは「新幹線」としていかがなものかという感想もないではない。

ともあれ一編成あたりの輸送力が在来線とは段違いの新幹線車両に置き換わり(つまり、現時点では

オーバースペック)かつ一番の需要があると思われる札幌までの全線開業前の本数としては妥当な

ところなのだろう。

必要に応じて臨時列車を走らせ、恒常的なニーズがあると見込まれるものに

ついては段階的に定期列車に格上げしていけばいい。




最速タイプは1日3本=東京始発6時32分-北海道新幹線


JR北海道は18日、来年3月26日に開業する北海道新幹線のダイヤを発表した。東京-新函館北斗間を4時間2分で走る最速タイプは下り2本と上り1本の計3本。東京駅発では、始発が午前6時32分、最終が午後7時20分となる。
 北海道新幹線の1日の運転本数は、東京-新函館北斗間が10往復、仙台、盛岡、新青森-新函館北斗間が各1往復。新たに開設される「奥津軽いまべつ駅」(青森県今別町)と「木古内駅」(北海道木古内町)にはそれぞれ7往復、8往復停車する。宇都宮駅や福島駅は通過する。
 JR北海道は、新幹線のダイヤに合わせ新函館北斗駅とそこから約18キロ離れた函館駅を最速15分で結ぶアクセス列車を運行する。これにより、東京-函館間は最速4時間29分となる。札幌駅に向かう特急列車も増便する。
 一方、寝台特急「カシオペア」(上野-札幌)など青函トンネルを通る旅客列車は廃止される。最終運転は来年3月19~21日。(2015/12/18-17:53)



北海道新幹線H5系、会いたいけれど… 新函館北斗発着1日わずか4本


「3月26日に開業する北海道新幹線で、新函館北斗を発着する定期列車上下26本(13往復)のうち、 JR北海道の新型車両「H5系」は4本にとどまることが18日分かった。 
事故対応や車両の整備点検のため、全4編成のうち2編成しか常時使用できないため。 
日中、同駅でH5系を見られるのは午前10時すぎと正午すぎに限られる。
 この4本は、上りが新函館北斗午前6時35分発「はやぶさ10号」(東京行き)と同午後0時44分発「はやぶさ22号」(同)。 
下りは仙台発で午前10時7分新函館北斗着の「はやぶさ95号」と東京発で午後9時48分着の「はやぶさ29号」。 
H5系のはやぶさ95号は新函館北斗到着後、いったん函館新幹線総合車両所(渡島管内七飯町)に移り、はやぶさ22号として出発前に同駅に戻るため、H5系目当てに駅に入場する場合は時間が限られる。 
残りの22本はJR東日本のE5系での運行だ。 
東北・北海道両新幹線は一体化してダイヤを編成するため、東京―仙台など東北新幹線の区間のみを運行するH5系列車も3本ある。 
開業日も車両運用は同じため、北海道新幹線の「一番列車」としては、新函館北斗始発のはやぶさ10号はH5系だが、同駅に初めて到着する新青森発の「はやて91号」と東京発の一番列車「はやぶさ1号」は、ともにE5系。 
新車両を心待ちにする鉄道ファンらには肩すかしとなりそうだ。 
北海道新幹線は開業日などの繁忙期に臨時列車を最大6本(3往復)を増便するが、いずれもE5系だ。 
H5系の残り2編成は、青函トンネルなどで事故が起きた際の「救援列車」として運行したり、整備点検したりするため、通常は函館新幹線総合車両所に待機している。 
H5系とE5系は、側面のラインの色がそれぞれ紫とピンクであるほかは、外観はほとんど変わらない。 
JR東日本はE5系を28編成所有している。 」

北海道新聞 02/19 07:00、02/19 15:21 更新 

 いや、たとえば500系に乗りたいと熱望しているのに700とかN700(しかも東海仕様)にしか乗れないなら憤りも絶望もあるだろうが、E5系とH5系はいわば双子の兄弟のようなものだろうに何が不満なのかと言いたい。E/W7などもっと見分けがつかない組み合わせからしたら、メリハリが効いてていいじゃないかとすら思う。ともあれ今回開業区間が札幌へ向かうための頑丈な橋頭堡にならんことを、遥か九州の地からお祈り申し上げる。






JR北海道が道内全線区で赤字 14年度、札幌圏も26億円 
2016/1/30 10:47 日経 

 北海道旅客鉄道(JR北海道)は29日、北海道庁が主催する地域公共交通検討会議で、2014年度の道内全30線区の収支状況を明らかにした。人件費などの管理費を含めると都市部の札幌圏をはじめ全ての線区が営業赤字だった。また、全体の3割超の駅で利用者が1日10人以下にとどまることも示した。

 JR北海道はこれまで利用者の少ない10線区の収支は公表していたが、全線区の状況を明らかにするのは初めて。都市部で利用者の多い函館線小樽―札幌間などの札幌圏も26億円の赤字で、鉄道事業の厳しい実態が浮き彫りになった。

 函館線函館―長万部間が42億円の赤字で最も赤字幅が大きかった。鉄道事業全体では414億円の赤字。一方で、1日平均の乗車人員が10人以下の「極端に利用の少ない駅」が道内で159駅と全体の35%を占めた。

 JR北海道の小山俊幸常務は会議で「各線区の収支は大変厳しい。(橋梁など)土木構造物も老朽化し、大規模な更新が必要になる」などと強調した。委員からはJR北海道の経営実態を踏まえ「どの路線が必要かまで具体的に議論しないと前に進まない」といった踏み込んだ意見が出た。

 同会議は鉄道やバスなど道内の地域公共交通網の将来像を探るため昨年11月にスタートした。





北海道新幹線の予約率が大不振…も函館ではむしろ喜ばれている?
週プレNEWS 3月20日(日)6時0分配信 



北海道新幹線(3月26日開業)の開業9日間の予約率がいまだ25%ほどの低水準にあることがわかった。このまま予約率が低迷すると、年間50億円の赤字も見込まれるという。

【参照】USJが沖縄に進出できない本当の理由とは

当然、運行主体のJR北海道も、最終駅として乗降客を受け入れる函館市(札幌延伸は2030年予定)もガックリしていると思いきや、頭を抱えているのはJR側だけ…。函館市に落胆の様子は見えないとか。一体、なぜ? 函館市民のひとりが言う。

「予約率が25%? そんなもんでしょ。だって、新幹線駅は函館から18キロも離れた北斗市にあるんだもの。東京から函館に観光に来るつもりなら、やっぱり飛行機利用のほうがずっと便利なんだよ」

確かにJR北海道は東京~函館を最短で4時間2分で結ぶと大々的にPRしているが、それは隣接する北斗市内にある新駅までの時間。実際に函館に行くには、乗り換えに約12分かかり、そこから在来線の専用ライナー(所要時間約15分)に乗らないといけない。そうなると、東京からの所要時間は4時間半ほどになるのだ。

それに比べ、航空機の羽田空港~函館空港までの所要時間は1時間20分。そこからJR函館駅まではバスで20分ほどなので、2時間もあれば函館の中心街に着ける。おまけに運賃も新幹線が2万2690円なのに対し、エア便は事前割引を使えば、1万円台前半のプランがいくらでもある。これでは勝負にならない。

「だから函館市民でさえ、帰省には航空機を使うと言っている。料金が高くて時間のかかる北海道新幹線に乗って来る人は根っからの鉄道ファンか、よっぽどの物好きなんじゃない?」(前出の函館市民)

元々、北海道新幹線への期待値が低かった分、予約率25%と聞いても函館市民はさほどのショックは感じないということらしい。

さらにもう一点、函館サイドが落胆しない理由がある。落胆しないどころか、ホッと安堵していると言ってもいい。函館市内のホテル業者がこう語る。

「実は市内の旅館やホテルがどこもひどい人手不足で、宿泊するお客さまに十分なサービスをできないでいるんです。特に大型旅館が集中する湯の川温泉などでは、夕食を客室に運ぶ仲居さんが足りず、部屋数の8割ほどしか予約を受け付けていない旅館もあるほど。

もし新幹線開業で観光客が当地にどっと押し寄せても、宿泊できない観光客大量に発生し、函館の評判が落ちるだけかもしれません」

なるほど、「ホテル・旅館に泊まれない観光客を大量に出さずに済む」という安堵感が、予約率25%の現状にもショックを受けずにいられる理由というわけ?

そのため函館市の観光企画課職員も余裕の表情でこう答える。

「今のところ、新函館北斗駅から函館市街まで、乗降客を呼び入れる特別な施策もキャンペーンも行なっていません。飛行機でも新幹線でも、お客さまのお好きなチョイスで函館観光においでくださいというのが函館市のスタンスなんです」

北海道新幹線の計画初期には、新駅を函館市内に設置しようというプランもあったというが…。

函館は年間500万人弱の観光客が訪れる国内有数の観光スポット。華々しい話題の一方で、予約率25%の悲報に「函館市内に新駅を作ればよかった」と、今ごろJR北海道は歯ぎしりしているのでは?

最終更新:3月20日(日)6時0分




函館―青森間、フェリー安さで勝負 新造船、快適さ強調
どうしんウェブ 03/20 07:00、03/20 16:48 更新 

 【函館】函館―青森間を結ぶフェリー会社が、26日の北海道新幹線開業を旅客獲得の好機ととらえている。新幹線は在来線よりも速度アップする代わりに利用料金も値上がりし、フェリーの「安さ」が際立つためだ。新幹線が注目される今年は、フェリーの魅力も伝わりやすいとみて、新造船投入や新たな割引制度導入など顧客開拓に力を入れる。

 青函航路は津軽海峡フェリー(函館)、青函フェリー(同)の2社が運航。所要時間最速3時間40分と、新幹線新函館北斗―新青森間の最速1時間1分と比べ、3倍以上時間がかかる。

 一方で通常期の旅客運賃(片道)は津軽海峡フェリーが2220円、青函フェリーが1630円(ともに燃料価格調整金を含む)。新幹線の通常料金7260円はもちろん、ネット割引の「北海道お先にネットきっぷ」の4350円と比べても格安だ。今月中旬に函館旅行で初めてフェリーを利用した盛岡市の大学生、川畑睦さん(19)は「この安さは学生には魅力」と話す。

 津軽海峡フェリーは新幹線開業を機に、青函航路の4隻中2隻を今秋と来春に新造船に更新する。計画を3年ほど前倒しした。ベッドと風呂、トイレ付きの個室料金でも1人4940~7100円と割安感があり、石丸周象(しゅうぞう)社長は「安さだけでなく大海原の景色も魅力になる」と、内陸部を高速で走る新幹線と差別化できるとみる。

 往復のいずれかでフェリーを利用するという需要も増えそうで、新幹線との組み合わせで10年ぶりにフェリーを使ったツアーを販売中の阪急交通社(大阪市)は「新幹線だけだと単調な旅になる。フェリーを使えばツアー価格を抑えられる」とその利点を話す。

 フェリー2社は、新幹線とレンタカーの組み合わせで北海道旅行する人をターゲットに、自家用車とフェリーを使った旅もPRしていく。津軽海峡フェリーは普通乗用車(6メートル未満)と大人2人で合計料金が1万8680円。新幹線より1人当たり約2千円高いが「レンタカー代込みの旅費全体で考えればむしろお得」という。

 同社は4月から1便当たり車両5台限定の新割引制度も導入。大型連休やお盆を除き、運転手の払う車両運賃を10%引きした上で、同乗者の旅客運賃を7人まで無料にする。




北海道新幹線開業 新函館北斗駅でトラブルなど今後の課題も
03/26 18:54 FNN 

 北海道新幹線が26日に開業した。
 朝から混み合った始発駅、新函館北斗駅。
 北海道民にとって、待望の新幹線ということだけあり、朝から、新函館北斗駅には、いたるところに行列ができて、かつては考えられなかったような混雑ぶりを見せていた。
 販売開始から25秒で売り切れとなった一番列車をはじめ、朝から大勢の乗客や見物客が訪れた、新函館北斗駅。
 午前中、エスカレーターの利用制限がされるほどの事態となった。
 この混雑の影響もあって、新幹線の接続列車「はこだてライナー」の券売機が、釣り銭切れになるトラブルもあった。
 JR東日本の電子マネー「スイカ」が使えないことがトラブルの一因とみられるが、こうした課題も表れた形となった。
 また、一番列車をはじめ、午前中の列車は、かなりの混雑ぶりだったが、午後からの列車は、早くも空席が目立ち始めているのが現状。
 JR北海道でも、今後の乗車率を25%程度と想定していて、利用率向上が見込まれる札幌への乗り入れが実現するまでの間、観光客の誘致など、打開策を検討する必要があるとみられる。


0 件のコメント:

コメントを投稿