№0214
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に
人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと
悟った時、誌が生まれて、画が出来る。
、 、 、
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。矢張り向う三軒両隣にちら
、 、 、
ちらする唯の人である。唯の人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国は
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あるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりも
猶住みにくかろう。」(序文より)
レビュー
ひとでなしのくに=メフィストの国か?ちょっと行ってみたい気がしないでもない。
ブログの詳細プロフィールの「お気に入りの本」にこの人の名前を挙げて
いるが、恥ずかしながら実のところまだ著書は数冊しか読んでいなかったりする。
幻影の盾」の最初の数頁くらい。
一応新潮文庫で今出ているものは全て持っているはずなのだが中々モチベー
ションが湧かない。ただ、漱石の作品は個人的には他の明治期~の作者と比べて
読み易いとは思う。初読時はあまり注釈とか気にせず勢いで読了して概略を掴み、
二回目以降でそういう子細な部分も楽しみながら読むのが理想ではある。
下記に個人的な未読/既読の一覧を載せておく(△は中途)。
○ 吾輩は猫である (既)
○ 倫敦塔・幻影の盾 (△)
○ 坊つちゃん (既)
○ 三四郎 (既)
○ それから (既)
○ 門 (未)
○ 草枕 (△) ※本日掲載部分のみ;
○ 虞美人草 (未)
○ 彼岸過迄 (既)
○ 行人 (未)
○ こゝろ (既) ※確か高校で現国の題材だった。
○ 道草 (未)
○ 硝子戸の中 (未)
○ 二百十日・野分 (未)
○ 坑夫 (未)
○ 文鳥・夢十夜 (未)
○ 明暗 (未)
せめて手元にあるこれらの分だけでもいつか完読したいとは思っているが...。
○ 行人 (未)
○ こゝろ (既) ※確か高校で現国の題材だった。
○ 道草 (未)
○ 硝子戸の中 (未)
○ 二百十日・野分 (未)
○ 坑夫 (未)
○ 文鳥・夢十夜 (未)
○ 明暗 (未)
せめて手元にあるこれらの分だけでもいつか完読したいとは思っているが...。
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