2016年4月24日日曜日

九州新幹線(鹿児島ルート)復旧関係

JR九州 列車運行情報

<4月25日(月)の運転計画>
【4月24日 17:00現在】

●九州新幹線【熊本から新水俣】終日運転見合わせ

      【博多から熊本,新水俣から鹿児島中央】本数を減らして運転

※脱線車両の復旧のほか、被害のあった設備等の調査・復旧に努めていますが、余震が続いていることもあり、復旧の目途は立っておりません。


九州新幹線が「28日に全線復旧」できる理由
鉄道設備に致命的な破損はなかった
読売新聞 2016年04月24日

 熊本地震の影響から、一部区間で運休が続く九州新幹線について、JR九州は、回送列車が脱線した熊本(熊本市)―新水俣(熊本県水俣市)間の運転を28日にも再開する方針を固めた。


 既に復旧した新水俣―鹿児島中央(鹿児島市)間に続き、23日には博多(福岡市)―熊本間の運転を再開。春の大型連休を前に、全線復旧する見通しとなった。一方、ボランティアの受け入れ開始後、初の週末を迎え、大勢のボランティアが被災地入りした。「震災関連死」とみられる人は1人増え、計12人になった。

 不通になっている熊本―新水俣間(75キロ)では23日も、脱線車両の撤去作業が行われた。車両をクレーンでつり上げる方法で5、6両目を線路上に戻し、全6車両の脱線状態を解消。JR九州幹部は、「鉄道設備に致命的な破損はなかった。阪神大震災後の耐震基準に沿って造られたことが奏功したのではないか」と説明している。

 同社では同日朝から、博多―熊本間(98キロ)で試験車両を走らせて安全を確認した上、運転を再開。これで新水俣―鹿児島中央間(84キロ)と合わせ、全長257キロのうち、約7割に当たる区間が復旧した。


 博多―熊本間では上下線合わせて1日に計100本以上が運転されていたが、当面は計30本にとどまる。所要時間は約1時間5分で通常ダイヤより約15分長いが、在来線の約2時間10分に比べて大幅に短縮されるため、被災地の支援も加速すると期待されている。

 一方、熊本県は、家屋の下敷きになって骨折し、救出された後、搬送先の病院で死亡が確認された同県南阿蘇村の60歳代女性について、「震災関連死」とみられると23日発表した。同村では同日も捜索が行われたが、依然として2人の安否が不明となっている。

 気象庁によると14日夜以降に熊本、大分両県で起きた震度1以上の地震は24日午前0時現在、843回に上った。被災地では24日以降も曇りや雨の日が多くなる見通しで、同庁は「地震の影響で地盤が緩んでおり、少ない雨でも土砂災害への警戒が必要」としている。




JR九州問われる安全 上場へ収益との両立課題
西日本新聞 4月24日(日)6時54分配信 

 熊本地震で影響を受けた九州新幹線を28日にも全線再開させる方針を明らかにしたJR九州。九州の大動脈の早期復旧は、公共交通機関を担う事業者の使命であり、震災からの復興に大きく貢献することになる。だが「想定外」の震災で、事業の根幹に関わる安全性は大きく揺らいだ。本年度中の株式上場を目指すJR九州は「収益」と「安全」をともに向上させるという重い経営課題に向き合う。

 九州新幹線は14日以降の地震で、約150カ所の損傷を受けた。大都市を結ぶ新幹線の運休長期化は経営上も重大な打撃となることから、JR九州幹部は早期再開を「大きな一歩」と語る。しかし、損傷箇所の多くは応急的な補修どまり。通常ダイヤへの復帰を可能にする本格修復は遠い。

 14日夜の地震では「本来あってはならない」(JR九州関係者)はずの新幹線車両の脱線事故が起きた。脱線を食い止める線路の「脱線防止ガード」が設置されているのは、全257キロのうち24キロ。地震による全体被害額も、まだ把握できていない状況だが「今後、追加的な安全対策が必要になるのは間違いない」(同)。今後、巨額の安全投資を迫られる。

 鉄道はJR九州の基幹事業だ。最大の経営課題である在来線の赤字を、新幹線収益や他事業で補い、上場へ向けて歩を進めてきた同社。安定的に収益を生み出すと期待された新幹線の損傷は、本年度を目標とする上場にも影響しかねない。

 青柳俊彦社長は23日、上場への影響について「精査をした上での判断になる」と述べるにとどめた。安全を確保しながら早期の完全復旧を実現させ、さらに悲願の上場を遂げる。政府の手を完全に離れ、純粋民間企業としての独り立ちを目指す同社。その力量が問われている。

=2016/04/24付 西日本新聞朝刊=

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