2016年9月2日金曜日

黒騎士=バーン・バニングスの非道を反面教師として

時間を少し 止めるのは
心の痛みを 失くすため

Sweet little dream from
Water Color
Sweet little girl from
Water Color

さぁ……夢の中で 目覚めなさい
夢の中で 目覚めなさい……

水色の輝き / 聖戦士ダンバイン

【ニコニコ動画】水色の輝き/小出広美 

 このキャラクターは、富野作品の典型的な「落ちぶれ型ライバル」だ。ただ、そういうキャラクターの始祖にして今なお現役の、あのシャア・アズナブルですら、この呪縛からは逃れられなかったので、実質その亜流でしかない彼に、多大な期待をしても仕方なかったのかもしれない。しかし、彼は日本人の感覚からしたら「決してしてはならないことをしてしまった」がため、その後の好感度が大幅に下がってしまった「残念な人」であり、その禁忌とは「恩を仇で返す」ことである。
 番組序盤の気取った所作と、対比で涙や鼻水?に塗れて体育座りしている衝撃的な転落の描写に、初めて親近感を覚えかけたものだった。ところが、ショウに返り討ちにされ、ABの残骸にしがみついて洋上を漂っていた彼を救助し、あまつさえ彼の背中に掛布を掛けてくれた貨物船の船員たちを、あろうことか翌週彼は船ごと撃沈するのである。なんという恥知らずの屑野郎であることか。こんな輩に「騎士」などと名乗ろう資格などあるはずもない。
 これが、レイズナーのゴステロであれば胸糞は悪いが何も文句はない。元々「凶悪、邪悪で狡猾、頭のおかしい人でなし(サイボーグ化されてからはキ印度も格段に上がった)」と認知されているからそれが自然な流れだ。
 しかし、もしかしたら重要なターニング・ポイントに出来たかもしれないこの一連の場面で、バーンが〆に取るべきだった行動は、たとえば

「敵方のオーラマシンからの貨物船への流れ弾をオーラソードで弾いて防いでみせる」

とか

「本貨物船を襲ってきた不審船(某国の漁船偽装工作船とか海賊船とか)を一撃の元に沈めてみせたのち、(オーラバトラーの顔で)世話になった船員たちに一瞥をくれて颯爽と飛び去る」

とかのさりげない「恩返し」の演出だったと思う。それであるなら自分は「黒騎士」の魅力に完全に虜にされていただろう。ドラムロビランビーレプラカーン、ズワースの各キットの売り上げに上積みがあったかもしれない?そして最終回のショウとの相討ちにもさぞや深みが増したことだろう。
 二つ後の番組である「Zガンダム」や劇場映画「逆襲のシャア」にも、こういう「メンタリティの違い」で受容できない作劇が多々あったが、それがあのハゲの限界だったのかもしれない。或いは脇がそういう勢力で占められたとか。



【年表】

挿入歌
水色の輝き
小出広美
カラオケ?

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