№0012
各サイトでニュースを閲覧しているうちにこんな記事をみつけた。
「お目見えしたフリーゲージ車両の実力と課題」
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140430-00036540-toyo-nb九州新幹線長崎ルートは、博多-新鳥栖間(鹿児島ルートと共用、完成済)と
武雄温泉―長崎間(建設中)が新幹線なのだが、新鳥栖-武雄温泉間は
在来線を走ることとなる。
新幹線と在来線では軌間(二本のレール間の幅)等が異なる為、そのままでは
直通出来ない。それゆえ、上記のような車両(フリーゲージトレイン)が開発され
ているのだ。しかし問題点もある。
題は今回の試作車では改善された模様)、最高速度が270km/hであること
(九州新幹線は260km/h、山陽新幹線は300km/hが上限)等から、JR
西日本が山陽新幹線への乗り入れに難色を示しているのだ。全列車博多止ま
りとなると、整備効果も限定的になろう。また、時間短縮効果も現行計画(博多
-長崎1時間20分)と全線フル規格(同41分)では、当然ながら大幅な差が
ある。
本音では全線フル規格(本来の新幹線)で開業させたい長崎県と、地元負担の
重圧を避けたい佐賀県の温度差もあり、今後も紆余曲折あるのではないかと
思われる。
【追記】
ブログ掲載後早速こんな記事が。
「迷走するフリーゲージトレイン 長崎新幹線、地元から「ノー」の声」
2014.5.2 02:09
佐賀県内でも、武雄市、嬉野市、神埼市、鳥栖市は、議会がフル規格推進の
立場を明らかにしたようだが、さて...。
【追記2】
<九州新幹線>長崎ルート、フル規格案が再浮上
毎日新聞 9月27日(日)10時0分配信
<九州新幹線>長崎ルート、フル規格案が再浮上
9月27日(日)10時0分配信
2022年度の開業を目指す九州新幹線長崎ルート(博多−長崎間)を巡り、車輪の幅を変えて新幹線区間と
在来線を走るフリーゲージトレイン(軌間可変電車=FGT)に代わって、新幹線と在来線を乗り継ぐ
「リレー方式」が沿線の長崎、佐賀両県議会で浮上している。長崎ルートにはFGTを導入予定だが開発は遅れている。
リレー方式で先行開業することで、一度は断念した全線を新幹線規格とする「フル規格」実現への期待がある。
今月10日、長崎県議会の九州新幹線長崎ルート建設促進議員連盟の八江利春会長らメンバー6人が佐賀県議会を訪れ、
中倉政義議長らが応対した。表向きはメンバー交代に伴うあいさつ回りだが、「リレー方式で運行させることも
方法の一つとの意見が出た」(関係者)。出席した佐賀県議の一人は、県議同士での話し合いが始まったことを認めた。
リレー方式で博多から長崎へ向かう場合、九州新幹線鹿児島ルートで新鳥栖まで行き、新鳥栖−武雄温泉は在来線、
その先は再び新幹線に乗ることになる。2回の乗り換えが必要だが、フル規格での運行が先行すれば
「全線フル規格の目が出てくる」と長崎の県議は期待する。
FGTによる博多−長崎の所要時間は1時間20分で、現在の特急と比較した時間短縮効果は28分。
フル規格ならさらに短縮が見込め、観光客やビジネス客を呼び込みやすい。一方で、FGTは試験走行で
異常が見つかるなどして開発が遅れており、ある長崎県議は、その状況を“追い風”と見る。
「開業予定に間に合うと考えている人はいないのでは。間に合わないなら別の方式も検討しなければ」
沿線では元々、フル規格への期待が高かったが、長崎に比べて時間短縮効果の小さい佐賀県側が地元負担の
大きさを懸念し、FGTに落ち着いた経緯がある。その佐賀県内でもフル規格化に向けた動きが強まっており、
13~14年、鳥栖市や嬉野市など10市町議会がフル規格化の協議を求める意見書を相次いで可決。
沿線市町議会が話し合いの場を設ける動きもあり、県議会も加わる見通しだ。
ただ、地元から声高に現状変更を迫ることには「開業がさらに先延ばしになりかねない」
「リレー方式が、ずっと続く可能性がある」との声もあり、フル規格化を目指す方向で沿線が一枚岩になれるかは不透明だ。
長崎市議会では昨年9月、フル規格化を国などに求める意見書提出を一部の会派が提案したが
「時期尚早だ」などとして見送られた。
フル規格化となれば、佐賀県の負担は800億円に上るとの試算もあり、10日の懇談に出席した県議の一人も
「フル規格の議論は終わった話。ルートも変わるし、金もかかる」と語る。
佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は毎日新聞の取材に「フル規格化について反対はしないが、
今の財源スキームでは難しい。私から積極的にということはない」と話した。【小畑英介、石井尚】
フリーゲージ試験中断1年、トラブル検証にめど
長崎新幹線、評価委で近く審議へ/22年開業予断許さず
佐賀新聞 2015年11月28日 11時28分
九州新幹線長崎ルートへの導入が予定され、車両トラブルで走行試験が約1年間中断している
フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)に関し、石井啓一国土交通相は27日の会見で、
トラブルの検証に一定のめどがついたため専門家による検証結果の審議を近く始めると表明した。
フリーゲージトレインは昨年11月、車軸付近にひびや摩耗が見つかり、
鉄道建設・運輸施設整備支援機構(本社・神奈川県)やJR九州が原因の究明や対策の検討を進めていた。
国交省は、学識者でつくる軌間可変技術評価委員会で、原因の特定や改善策を審議する。
評価が得られれば試験再開を認める方針。
石井国交相は、長崎ルートの2022年春までの開業について「与党の申し合わせに従い、着実に取り組む」と述べた。
■県「評価委次第」、22年開業予断許さず
フリーゲージトレインの不具合をめぐる国の技術評価委員会の審議が12月にも開かれることになった。
耐久走行試験の中断から30日で丸1年。
九州新幹線長崎ルートの沿線自治体として待たされてきた佐賀県は「委員会の判断でどちらにでも転ぶ」。
試験再開の見通しが立たない状況に変わりはなく、安堵(あんど)感はない。
鉄道・運輸機構とJR九州は昨年10月、新幹線と在来線を繰り返し走る耐久試験を熊本県八代市で始めた。
車輪幅を約400回変更し、走行距離で3万キロを超えた約1カ月後、車両の一部に異常が見つかった。
機構は当初「詳細調査には1カ月程度を要する見込み」と発表したが、難航する。
県新幹線・地域交通課は毎日のように進ちょくを確認してきたが、「何か決まったらお知らせします」と繰り返すばかりだった。
JR九州に委託した調査では、異常を再現する試験に時間がかかった。
検証用の構造物を準備し、部品の欠損や車軸の摩耗痕がどのような条件で発生したかを調べた。
走行試験は実用化に向けた最終段階のテストで、慎重を期してきた。
原因究明が長引く中で、沿線では新幹線と在来線を乗り継ぐ「リレー方式」が代替案に取りざたされる。
全線を高架するフル規格を再び目指す動きもあり、
今月19日には佐賀県内の沿線市町の議員や経済団体関係者、長崎県議ら有志約30人が意見交換会を開いた。
現計画の佐賀県負担額は約225億円で、フル規格なら800億円に増すという国の試算がある。
これは1997年当時の相場で、「今なら1・5倍にも2倍にも跳ね上がるかもしれない」と自治体関係者。
「地方が建設費の3分の1を負担する整備新幹線のルールを変えない限り、フル規格の実現は難しい」とみる。
97年からの開発で既に434億円が投じられたフリーゲージトレイン。
国交省鉄道局技術開発室は、近く開かれる技術評価委員会に関し
「不具合の原因と対策案が機構から示される予定で、詰めの作業が続いている」と説明する。
ただ、「走行試験が再開できるかどうかは委員会が終わってみないと分からない」。
すぐに了承が得られるのか、さらに究明や改良が求められるのか、
開業遅れにもつながりかねない予断を許さない状況が続いている。
開発が大幅に遅れる新型車両「フリーゲージトレイン」(軌間可変電車、FGT)に関して、石井啓一国土交通相は、「なんとか調整をして決めさせていただきたい」と述べ、九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)への投入について、沿線自治体などとの調整を本格化させる考えを示唆した。
福岡市内で5日に開かれた地元経済界との会合で述べた。
会合にはJR九州の唐池恒二会長も出席した。唐池氏は「JR九州は、線路を試験運転の場所に提供しており、よい方向に進んでほしい。(開発の遅れについては)いささか責任を感じている」と発言したという。
長崎ルートについて、政府与党は平成34年度開業をできるだけ前倒しすることで合意した。しかし、FGTは走行試験で不具合が生じ、開業時点で車両を量産することが困難になっている。
◇
FGTの速達性、短縮わずか30分…最高速度270kmで結局、博多で乗り換え…
国土交通省は4日、FGTの走行試験が大幅に遅れると発表した。長崎ルートは平成34(2022)年度開業予定だが、この時点で車両を量産することは極めて困難となった。(九州総局 村上智博)
FGTに暗雲が立ち込めてきた。長崎ルート沿線自治体の関係者からは「フリーゲージ一本やりではなく、対応を考えなければならない」として、「フル規格化」の検討を求める声が上がった。
FGTは昨年秋、走行試験中に車軸付近のひびや摩耗が確認され、試験中断に追い込まれた。4日に東京で開催されたFGTの技術評価委員会では、走行試験再開は、早くとも来年度後半になることが報告された。試験終了は31年度までずれ込む見込みで、長崎ルート開業に、生産を間に合わせるのは難しくなった。
九州の関係者は、開発の遅れが長崎ルート開業に影響しないか、やきもきする。もともとFGTに対しては、懐疑的な意見が少なくない。
計画によると、長崎ルートは、大きく3つに分かれる。博多~新鳥栖と、新鳥栖~武雄温泉、そして武雄温泉~長崎だ。このうち新鳥栖~武雄温泉区間を、在来線のレールを使用することになっている。
長崎ルートをめぐり政府・与党は今年1月、34年度よりも前倒しを目指すと決めた。石井啓一国土交通相は11月27日の記者会見で「与党の申し合わせに従い、着実に取り組む」と述べた。
◇
【用語解説】フリーゲージトレイン
車輪の間隔を変えることで、新幹線(レール幅1435ミリ)と在来線(同1067ミリ)の両方を走らせることができる車両。線路上に設置した軌間変換装置に列車を通過させて、間隔を変更する。国内では平成9年に本格的に開発が始まった。走行試験で、新幹線区間で時速270キロ、在来線区間で時速130キロの目標速度を達成した。その後、走行距離3万キロを超えた段階で、車両の車軸付近の部品に摩耗やひびなどの欠損が見つかった。
【追記2】
<九州新幹線>長崎ルート、フル規格案が再浮上
毎日新聞 9月27日(日)10時0分配信
<九州新幹線>長崎ルート、フル規格案が再浮上
9月27日(日)10時0分配信
2022年度の開業を目指す九州新幹線長崎ルート(博多−長崎間)を巡り、車輪の幅を変えて新幹線区間と
在来線を走るフリーゲージトレイン(軌間可変電車=FGT)に代わって、新幹線と在来線を乗り継ぐ
「リレー方式」が沿線の長崎、佐賀両県議会で浮上している。長崎ルートにはFGTを導入予定だが開発は遅れている。
リレー方式で先行開業することで、一度は断念した全線を新幹線規格とする「フル規格」実現への期待がある。
今月10日、長崎県議会の九州新幹線長崎ルート建設促進議員連盟の八江利春会長らメンバー6人が佐賀県議会を訪れ、
中倉政義議長らが応対した。表向きはメンバー交代に伴うあいさつ回りだが、「リレー方式で運行させることも
方法の一つとの意見が出た」(関係者)。出席した佐賀県議の一人は、県議同士での話し合いが始まったことを認めた。
リレー方式で博多から長崎へ向かう場合、九州新幹線鹿児島ルートで新鳥栖まで行き、新鳥栖−武雄温泉は在来線、
その先は再び新幹線に乗ることになる。2回の乗り換えが必要だが、フル規格での運行が先行すれば
「全線フル規格の目が出てくる」と長崎の県議は期待する。
FGTによる博多−長崎の所要時間は1時間20分で、現在の特急と比較した時間短縮効果は28分。
フル規格ならさらに短縮が見込め、観光客やビジネス客を呼び込みやすい。一方で、FGTは試験走行で
異常が見つかるなどして開発が遅れており、ある長崎県議は、その状況を“追い風”と見る。
「開業予定に間に合うと考えている人はいないのでは。間に合わないなら別の方式も検討しなければ」
沿線では元々、フル規格への期待が高かったが、長崎に比べて時間短縮効果の小さい佐賀県側が地元負担の
大きさを懸念し、FGTに落ち着いた経緯がある。その佐賀県内でもフル規格化に向けた動きが強まっており、
13~14年、鳥栖市や嬉野市など10市町議会がフル規格化の協議を求める意見書を相次いで可決。
沿線市町議会が話し合いの場を設ける動きもあり、県議会も加わる見通しだ。
ただ、地元から声高に現状変更を迫ることには「開業がさらに先延ばしになりかねない」
「リレー方式が、ずっと続く可能性がある」との声もあり、フル規格化を目指す方向で沿線が一枚岩になれるかは不透明だ。
長崎市議会では昨年9月、フル規格化を国などに求める意見書提出を一部の会派が提案したが
「時期尚早だ」などとして見送られた。
フル規格化となれば、佐賀県の負担は800億円に上るとの試算もあり、10日の懇談に出席した県議の一人も
「フル規格の議論は終わった話。ルートも変わるし、金もかかる」と語る。
佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は毎日新聞の取材に「フル規格化について反対はしないが、
今の財源スキームでは難しい。私から積極的にということはない」と話した。【小畑英介、石井尚】
掲示板
九州新幹線長崎ルート、フル規格化を
市町議有志が県議と初会合で
2022年度の開業を目指している九州新幹線長崎ルートをめぐり、全線高架のフル規格化を求める沿線市町議員の有志が8日、佐賀市で県議会議員と初めて意見交換をした。有志側はフリーゲージトレイン(FGT)に代わるフル規格化に向けて協力を求めた。
会合は非公開で、県内から約30人が集まり、県議は留守茂幸自民党県連会長ら5人が出席した。
現計画は新鳥栖-武雄温泉間で在来線を活用し、そこに新幹線区間と在来線区間の異なるレール幅を走行できるFGTを導入する。ただ、FGTは昨年11月から台車の異常で耐久走行試験が中断している。
会合では、有志側がFGT導入の経緯や開発の現状を県議に尋ね、フル規格の実現性について議論した。
会合後、世話人会代表の平原嘉徳佐賀市議会副議長は「沿線の機運を高めるために情報共有を進めていきたい」と強調、留守県議は「佐賀の財政負担が大きくなるというスキームの問題は当然あるが、FGTが頓挫したときに備えた議論は必要」と述べた。
フル規格化について県は議会で「計画変更は全く考えていない」と否定的な見解を示している。
トラブルに見舞われているフリーゲージトレイン(軌間可変電車=FGT)の九州新幹線西九州(長崎)ルートへの導入が見送られることになりそうだ。
関係者の話を総合すると、12月初旬のFGTに関する会議で正式に見送りが決められる見通し。代替手法として特急電車と新幹線の乗り継ぎを行なう「リレー方式」が採用されることになる。
FGTの開発自体は他路線への導入や輸出を見据えて継続されるという。
FGTのトラブルは昨年11月下旬の試験走行時に台車部分で見つかった。鉄道・運輸機構(横浜市)によると、新八代駅(熊本県八代市)の近くで車輪間隔を変えて新幹線と在来線のレールを試験運行している段階で、試験開始からはわずか約1カ月後だった。
台車を分解してみると、軸受けの潤滑油流出を防ぐ樹脂製の部品が4両編成車両の32カ所のうち10カ所で欠けており、ひびも4カ所で見つかった。別の軸受けと車軸の接触部分に摩耗した痕跡もあり、こすれたような軽微なものを含めて24カ所で確認された。
機構は「原因の特定には至っておらず、試験走行再開のめども立っていない」と説明。部品の欠損や車軸の摩耗痕がどのような条件で発生したのか、現象を再現する試験を重ねているという。
計画されている耐久走行試験の距離は60万㌔で、40万㌔に達した時点で国土交通省の技術評価委員会が中間評価し、ゴーサインが下されれば営業車の設計に入ることになっている。
最終評価は2017年3月末ごろと見込まれているが、累計走行試験距離は全体の6%程度の約3万3000㌔にとどまっている。そのため長崎の経済界からは新鳥栖─武雄温泉間にリレー特急を走らせ、武雄温泉─長崎間の新幹線とつなぐ方式を求める声が上がっていた。
FGTの導入が見送られることで、長崎には山陽新幹線への乗り入れも可能となるフル規格新幹線実現への期待がにわかに膨らみ始めている。
ただ、フル規格実現のためには佐賀県側の同意が不可欠なのだが、費用負担が大きい割には時短効果が小さいため、難航は必至。どのように佐賀県側の同意を取り付けるかが最大の問題になっている。
佐賀県は「計画に変更はない」と否定的だが、地元では議員連盟を作ろうとする動きや与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームに佐賀県選出の国会議員を参加させようとする動きも出てきており、今後の動向に注目が集まっている。
財界九州 2015.10.27
当面は特急と新幹線結ぶ「リレー方式」に
関係者の話を総合すると、12月初旬のFGTに関する会議で正式に見送りが決められる見通し。代替手法として特急電車と新幹線の乗り継ぎを行なう「リレー方式」が採用されることになる。
FGTの開発自体は他路線への導入や輸出を見据えて継続されるという。
FGTのトラブルは昨年11月下旬の試験走行時に台車部分で見つかった。鉄道・運輸機構(横浜市)によると、新八代駅(熊本県八代市)の近くで車輪間隔を変えて新幹線と在来線のレールを試験運行している段階で、試験開始からはわずか約1カ月後だった。
台車を分解してみると、軸受けの潤滑油流出を防ぐ樹脂製の部品が4両編成車両の32カ所のうち10カ所で欠けており、ひびも4カ所で見つかった。別の軸受けと車軸の接触部分に摩耗した痕跡もあり、こすれたような軽微なものを含めて24カ所で確認された。
機構は「原因の特定には至っておらず、試験走行再開のめども立っていない」と説明。部品の欠損や車軸の摩耗痕がどのような条件で発生したのか、現象を再現する試験を重ねているという。
計画されている耐久走行試験の距離は60万㌔で、40万㌔に達した時点で国土交通省の技術評価委員会が中間評価し、ゴーサインが下されれば営業車の設計に入ることになっている。
最終評価は2017年3月末ごろと見込まれているが、累計走行試験距離は全体の6%程度の約3万3000㌔にとどまっている。そのため長崎の経済界からは新鳥栖─武雄温泉間にリレー特急を走らせ、武雄温泉─長崎間の新幹線とつなぐ方式を求める声が上がっていた。
FGTの導入が見送られることで、長崎には山陽新幹線への乗り入れも可能となるフル規格新幹線実現への期待がにわかに膨らみ始めている。
ただ、フル規格実現のためには佐賀県側の同意が不可欠なのだが、費用負担が大きい割には時短効果が小さいため、難航は必至。どのように佐賀県側の同意を取り付けるかが最大の問題になっている。
佐賀県は「計画に変更はない」と否定的だが、地元では議員連盟を作ろうとする動きや与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームに佐賀県選出の国会議員を参加させようとする動きも出てきており、今後の動向に注目が集まっている。
私の感想としては概ねこちらの方の見解に近い。しかし一点、新幹線と在来線との直通に向けた取り組みは続けて欲しいと思う。
確かに現行でのGCTの最高速度は270km/hであるが、整備新幹線区間との直通なら足手まといにはならないし、またそういうニーズのあるエリアも北海道・東北、北陸、九州の各路線に接続する在来線で考えられる〔例:札幌~旭川(北海道)、新潟(上越)~新大阪(北陸)、博多(新鳥栖)~佐世保(九州)など〕。
まずは電化されている路線からが良かろう。かつ、現時点では寒冷地向けの技術が確立していないので、比較的温暖で積雪の少ない九州からが現実的かもしれない。
営業実績を積みつつ同時並行で最高時速などの技術開発を平行して進める。そして、整備新幹線区間での最高時速が引き上げられる頃までにそれが確立出来ればいい。新在直通は、整備新幹線の効用を面的に拡大できるものだと思うので今後も変わらず地道に推進していって欲しい。
話を戻すと、長崎ルートも全線フル規格で整備すべきというのが私の持論だ。上の方も書いておられるが、佐賀県の関係者の方々は単に博多だけを見るのではなく、その先、関西と山陽沿線との相互乗り入れで新たな需要が喚起された鹿児島ルートの成功に着目して欲しい。
また、長崎ルート全線フル規格+GCTなら、佐世保線の沿線も、武雄温泉まで高速化の恩恵に預かれるだろう。
フリーゲージ試験中断1年、トラブル検証にめど
長崎新幹線、評価委で近く審議へ/22年開業予断許さず
佐賀新聞 2015年11月28日 11時28分
九州新幹線長崎ルートへの導入が予定され、車両トラブルで走行試験が約1年間中断している
フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)に関し、石井啓一国土交通相は27日の会見で、
トラブルの検証に一定のめどがついたため専門家による検証結果の審議を近く始めると表明した。
フリーゲージトレインは昨年11月、車軸付近にひびや摩耗が見つかり、
鉄道建設・運輸施設整備支援機構(本社・神奈川県)やJR九州が原因の究明や対策の検討を進めていた。
国交省は、学識者でつくる軌間可変技術評価委員会で、原因の特定や改善策を審議する。
評価が得られれば試験再開を認める方針。
石井国交相は、長崎ルートの2022年春までの開業について「与党の申し合わせに従い、着実に取り組む」と述べた。
■県「評価委次第」、22年開業予断許さず
フリーゲージトレインの不具合をめぐる国の技術評価委員会の審議が12月にも開かれることになった。
耐久走行試験の中断から30日で丸1年。
九州新幹線長崎ルートの沿線自治体として待たされてきた佐賀県は「委員会の判断でどちらにでも転ぶ」。
試験再開の見通しが立たない状況に変わりはなく、安堵(あんど)感はない。
鉄道・運輸機構とJR九州は昨年10月、新幹線と在来線を繰り返し走る耐久試験を熊本県八代市で始めた。
車輪幅を約400回変更し、走行距離で3万キロを超えた約1カ月後、車両の一部に異常が見つかった。
機構は当初「詳細調査には1カ月程度を要する見込み」と発表したが、難航する。
県新幹線・地域交通課は毎日のように進ちょくを確認してきたが、「何か決まったらお知らせします」と繰り返すばかりだった。
JR九州に委託した調査では、異常を再現する試験に時間がかかった。
検証用の構造物を準備し、部品の欠損や車軸の摩耗痕がどのような条件で発生したかを調べた。
走行試験は実用化に向けた最終段階のテストで、慎重を期してきた。
原因究明が長引く中で、沿線では新幹線と在来線を乗り継ぐ「リレー方式」が代替案に取りざたされる。
全線を高架するフル規格を再び目指す動きもあり、
今月19日には佐賀県内の沿線市町の議員や経済団体関係者、長崎県議ら有志約30人が意見交換会を開いた。
現計画の佐賀県負担額は約225億円で、フル規格なら800億円に増すという国の試算がある。
これは1997年当時の相場で、「今なら1・5倍にも2倍にも跳ね上がるかもしれない」と自治体関係者。
「地方が建設費の3分の1を負担する整備新幹線のルールを変えない限り、フル規格の実現は難しい」とみる。
97年からの開発で既に434億円が投じられたフリーゲージトレイン。
国交省鉄道局技術開発室は、近く開かれる技術評価委員会に関し
「不具合の原因と対策案が機構から示される予定で、詰めの作業が続いている」と説明する。
ただ、「走行試験が再開できるかどうかは委員会が終わってみないと分からない」。
すぐに了承が得られるのか、さらに究明や改良が求められるのか、
開業遅れにもつながりかねない予断を許さない状況が続いている。
長崎新幹線は結局、フル規格? フリーゲージ開発が遅れ…国交相は「沿線と調整し決定」
開発が大幅に遅れる新型車両「フリーゲージトレイン」(軌間可変電車、FGT)に関して、石井啓一国土交通相は、「なんとか調整をして決めさせていただきたい」と述べ、九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)への投入について、沿線自治体などとの調整を本格化させる考えを示唆した。
福岡市内で5日に開かれた地元経済界との会合で述べた。
会合にはJR九州の唐池恒二会長も出席した。唐池氏は「JR九州は、線路を試験運転の場所に提供しており、よい方向に進んでほしい。(開発の遅れについては)いささか責任を感じている」と発言したという。
長崎ルートについて、政府与党は平成34年度開業をできるだけ前倒しすることで合意した。しかし、FGTは走行試験で不具合が生じ、開業時点で車両を量産することが困難になっている。
◇
FGTの速達性、短縮わずか30分…最高速度270kmで結局、博多で乗り換え…
国土交通省は4日、FGTの走行試験が大幅に遅れると発表した。長崎ルートは平成34(2022)年度開業予定だが、この時点で車両を量産することは極めて困難となった。(九州総局 村上智博)
FGTに暗雲が立ち込めてきた。長崎ルート沿線自治体の関係者からは「フリーゲージ一本やりではなく、対応を考えなければならない」として、「フル規格化」の検討を求める声が上がった。
FGTは昨年秋、走行試験中に車軸付近のひびや摩耗が確認され、試験中断に追い込まれた。4日に東京で開催されたFGTの技術評価委員会では、走行試験再開は、早くとも来年度後半になることが報告された。試験終了は31年度までずれ込む見込みで、長崎ルート開業に、生産を間に合わせるのは難しくなった。
九州の関係者は、開発の遅れが長崎ルート開業に影響しないか、やきもきする。もともとFGTに対しては、懐疑的な意見が少なくない。
計画によると、長崎ルートは、大きく3つに分かれる。博多~新鳥栖と、新鳥栖~武雄温泉、そして武雄温泉~長崎だ。このうち新鳥栖~武雄温泉区間を、在来線のレールを使用することになっている。
福岡市内で5日に開かれた地元経済界との会合で述べた。
会合にはJR九州の唐池恒二会長も出席した。唐池氏は「JR九州は、線路を試験運転の場所に提供しており、よい方向に進んでほしい。(開発の遅れについては)いささか責任を感じている」と発言したという。
長崎ルートについて、政府与党は平成34年度開業をできるだけ前倒しすることで合意した。しかし、FGTは走行試験で不具合が生じ、開業時点で車両を量産することが困難になっている。
◇
FGTの速達性、短縮わずか30分…最高速度270kmで結局、博多で乗り換え…
国土交通省は4日、FGTの走行試験が大幅に遅れると発表した。長崎ルートは平成34(2022)年度開業予定だが、この時点で車両を量産することは極めて困難となった。(九州総局 村上智博)
FGTに暗雲が立ち込めてきた。長崎ルート沿線自治体の関係者からは「フリーゲージ一本やりではなく、対応を考えなければならない」として、「フル規格化」の検討を求める声が上がった。
FGTは昨年秋、走行試験中に車軸付近のひびや摩耗が確認され、試験中断に追い込まれた。4日に東京で開催されたFGTの技術評価委員会では、走行試験再開は、早くとも来年度後半になることが報告された。試験終了は31年度までずれ込む見込みで、長崎ルート開業に、生産を間に合わせるのは難しくなった。
九州の関係者は、開発の遅れが長崎ルート開業に影響しないか、やきもきする。もともとFGTに対しては、懐疑的な意見が少なくない。
計画によると、長崎ルートは、大きく3つに分かれる。博多~新鳥栖と、新鳥栖~武雄温泉、そして武雄温泉~長崎だ。このうち新鳥栖~武雄温泉区間を、在来線のレールを使用することになっている。
長崎ルートをめぐり政府・与党は今年1月、34年度よりも前倒しを目指すと決めた。石井啓一国土交通相は11月27日の記者会見で「与党の申し合わせに従い、着実に取り組む」と述べた。
◇
【用語解説】フリーゲージトレイン
車輪の間隔を変えることで、新幹線(レール幅1435ミリ)と在来線(同1067ミリ)の両方を走らせることができる車両。線路上に設置した軌間変換装置に列車を通過させて、間隔を変更する。国内では平成9年に本格的に開発が始まった。走行試験で、新幹線区間で時速270キロ、在来線区間で時速130キロの目標速度を達成した。その後、走行距離3万キロを超えた段階で、車両の車軸付近の部品に摩耗やひびなどの欠損が見つかった。
産経WEST 2015.12.7 16:00 掲示板
長崎新幹線、FGT全面開業は25年春以降 国交省示す
2016年2月12日20時23分 (@∀@-) 掲
長崎新幹線、FGT全面開業は25年春以降 国交省示す
2016年2月12日20時23分 (@∀@-) 掲
「 国土交通省は、九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)による全面開業が当初予定の2022年度より遅れて25年春以降になるとの工程表を、10日にあった与党の検討委員会に示した。関係者への取材でわかった。
国交省は昨年12月、FGTの開発計画が2年程度遅れることを明らかにし、1~2編成だけでの「限定開業」も示唆していた。
工程表によると、18年度後半にFGTの量産先行車の設計・製造に着手。21年度後半から走行試験や訓練運転をし、量産車の設計・製造を22年度に始める。量産車の訓練運転は24年度末までに終える計画だが、開発が順調に進んでも全面開業は25年度にずれ込む見込みだ。」(以下会員限定)
長崎新幹線は「全線フル規格」で進めるべきだ
フリーゲージトレインにメリットは少ない!
東洋経済ONLINE
長崎新幹線、途中乗り継ぎで「22年度開業」を死守 博多-長崎の時間短縮は10分あまり
2016/3/ 5 17:30 J-CASTニュース 掲
博多~新鳥栖が在来線利用になるのは惜しい気もするが、長崎まで行くのに二度の乗り換えを乗客に強いることは流石に無理だろうからそこはやむをえまい。
そして確かに博多までの所要時間を考えたら佐賀県の言い分もわかるのだが、やはりここは「先達」である「鹿児島ルート」が山陽新幹線と直通したことで沿線各地域間の交流を促進し、関西や中国の各府県からの新たな需要を取り込んで活況を呈していることに着目してもらいたい。
莫大な費用とは言うが、たとえ高速道路や空港関係に振り向ける資金を絞ってでも「新幹線」は整備すべき価値があるものだと個人的には思う。新鳥栖~武雄温泉も含めて全線フル規格化することで、佐賀、長崎両県の地域振興も図れ、費用対効果も上がり、最大便益が期待できるだろう。戦力の逐次投入は愚策という。中途半端なもので終えてはならないと強く主張したい。
私はこの件では長崎県のスタンスを全面的に支持しつつ今後の推移を見守っていくこととする。
長崎新幹線は「全線フル規格」で進めるべきだ
フリーゲージトレインにメリットは少ない!
東洋経済ONLINE
長崎新幹線、途中乗り継ぎで「22年度開業」を死守 博多-長崎の時間短縮は10分あまり
2016/3/ 5 17:30 J-CASTニュース 掲
博多駅と長崎駅をつなぐ九州新幹線長崎ルートが、在来線特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で「暫定的」に開業する方向となった。これにより、2022年春を予定する開業時期を死守できるとみられる。
長崎ルートの線路は本来、新幹線と在来線を併用して両方走れる「フリーゲージトレイン」(FGT)と呼ばれる車両を活用する計画だが、FGTの開発が遅れているために編み出された苦肉の策といえる。
全線フル規格でない背景には、複雑な地元の事情がある
間を通る佐賀県には、とくにメリットなし?
九州新幹線長崎ルートは博多駅から長崎駅まで、福岡県から佐賀県を経て長崎県にいたる143キロだ。九州以外の人に距離感が分かるように説明すると、東京―新富士間(東海道新幹線)が146キロ、大阪―大垣間(東海道本線)も146キロ。さほど遠くないかもしれないが、仕事や観光で「快速」などの在来線を乗り継いで行くにはややきつい距離だ。
「長崎新幹線」構想は、大きく3つの区間に分かれる。
(1)博多―新鳥栖<佐賀県鳥栖市>間(26キロ)は、時速270キロ以上で安定走行できる新幹線用に線路の幅が太い「フル規格(線路幅1435ミリ)」の九州新幹線鹿児島ルートを共用。
(2)新鳥栖―武雄温泉<佐賀県武雄市>間(51キロ)は直線で時速130キロで安定走行できる在来線(線路幅1067ミリ)を通る。
(3)武雄温泉―長崎間(66キロ)は再びフル規格の新幹線の新線を走る、
というもので、福岡県内は既存の新幹線鹿児島ルートを利用し、佐賀県内は大半が在来線を活用、ほぼ長崎県内に限って新線を建設する新幹線と言っていい。
なぜ全線フル規格でないか、というと地元の事情がある。「長崎新幹線」の中間の佐賀県民にとっては、福岡県や長崎県に行くのに劇的に時間が短縮されるわけでもないから、長崎新幹線ができるならそれはそれでうれしいけれども、だからと言っていろんな費用の負担をしてまで必要かなあ、というのが大方の受け止めのようなのだ。
さらに、長崎県北部の県第2の都市であり、米海軍基地や通販大手「ジャパネットたかた」の本社などがある港町、佐世保市(人口は長崎市の約44万人に次ぐ約26万人)にとって、今回のルートは極めて複雑な感情のからむ話だ。長崎新幹線はかつて日本の高度成長期に、佐世保市を通るルートで計画されていた。佐世保市はこれを何としても実現させようと1978年、長崎新幹線着工の見返りとして放射能漏れ事故を起こした原子力船「むつ」の修理を受け入れた。しかし、費用対効果の計算上、結局は採算がとれないとして1992年に佐世保市経由ルートの断念を受け入れた経緯がある。
リレー特急案、波紋は止まらず…佐賀「受諾してない」、長崎6市「全線フル新幹線を」
JR九州の青柳俊彦社長は記者会見で、九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)について「整備に関する与党委員会での方針が決まるまで、私は説明を差し控える。(方針が)出れば、そうするように努力したい」と述べた。
青柳氏は2月24日、与党委員会の会合で、在来線特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」を導入し、当初予定の平成34(2022)年春に暫定開業させる案を示していた。
これに対し、佐賀県の山口祥義知事は、29日に開かれた2月定例県議会の代表質問で「フリーゲージトレイン(軌間可変電車)での全線開業が実現しなければ、経済波及効果は得られない。リレー方式も暫定開業も受け入れる、と言った事実はございません」と答弁した。
一方、長崎県の諫早市や島原市など沿線の6市議会でつくる協議会は27日、リレー方式の案を受け入れた上で、最終的に全線で新幹線規格(フル規格)を求めて活動することを決めた。
25 : やまとななしこ2016/03/02(水) 13:48:08.55 ID:h6E8cCqQ
非鉄向けに解説しよう
(p) http://i.imgur.com/6ny0Ai1.jpg
赤:新幹線規格(標準軌)で建設中
青:在来線規格で複線化の計画
桃:三セク化・ディーゼル単行運転(電化廃止か)
緑:新幹線開業後20年間はJR直営・ディーゼル特急運転(電化廃止か)
黒:在来線複線のまま
水色:新幹線鹿児島ルート
以上は佐賀県、長崎県含めて合意済み
鉄道